お正月には、願いやさまざまな縁起を担いだおせち料理をいただく文化があります。古くから日本の心として根づいてきたおせち料理について、子どもたちにどのように知らせていくとよいのかを考えていきましょう。
おせち料理の始まり
日本では、節と呼ばれる季節の変わり目ごとに豊作を感謝して神様にお供え物をした「御節」に由来しています。
おせち料理の種類とそれぞれの意味や願いを知ろう!(諸説あります)
おせち料理はめでたさを重ねるという意味で、重箱に詰められます。
一の重…祝い肴、口取り
黒豆 まめに健康、丈夫に過ごせるように願います。
数の子 ニシンの卵である数の子は、数が多いことから子孫繁栄を願います。
→生きかたが多様化した現代では、園での子どもたちにこの願いを知らせることが難しいので、「昔は子どもがたくさん生まれるように願って、数の子を入れていたよ」と話すのがよいと思います。
田作り(ごまめ)片口イワシを農作物の肥料として使った田畑が豊作なったことにちなみ、五穀豊穣を願います。「五万米」の字をあて「ごまめ」と呼ばれることもあります。
紅白かまぼこ 半月かまぼこは日の出を表す赤は喜び、白は神聖の意味を表します。
昆布巻き 「喜ぶ」にかけて縁起を担ぎ、健康長寿を願います。
伊達巻 洒落た身なりをした「伊達もの」の着物に似ていることに由来します。巻いた形状が書物や掛け軸を連想させるため、知性や文化の発展、学業成就の願いが込められています。
栗きんとん 鮮やかな色が小判や金塊に似ているため、金運の上昇を願っています。
ニの重…焼き物
鯛 「めでたい」につながる縁起のよい食材です。
ブリ 成長に伴って名前が変わる「出世魚」と呼ばれ、おせちでは立身出世を意味します。
関東では「ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ」、関西では「ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ」と呼び名に違いがあります。海老 加熱した海老は腰が曲がった形になるため、腰が曲がるまで長生きするという願いが込められています。
三の重…煮物
煮しめを入れる食材は土の中で根を張る根菜が中心で、末永い幸せを願います。
れんこん 穴が多く空いていることから、見通しのよい1年を祈ります。
里芋 種芋を植えると小芋が多くつくことから、子宝を願います。
ごぼう 土中にしっかり根を張ることから、家族の土台がしっかりするように、また家業が土地に根付くことを願います。
紅白なます 配色が水引に見えることから、おめでたいとされます。
まとめ
時代とともにおせち料理が各家庭で多様化してきました。日本の文化として受け継がれてきた行事を、私たちも無理のない形で取り入れ、次の世代に引き継いでいきたいですね。
コメント